骨元気?

最近腰痛が時々起きるので、骨元気?について薬剤師の目線で自分の事として考えてみた。

腰痛の原因は生活環境の変化ー22年間立ちっぱなしで県下最大級の広い薬局内を歩き回っていたのが、ここ半年、猫の額のような小さい薬局内で圧倒的にデスクワークが多くなり、しかも足を組んで座っていたということと、ホルモンバランスの乱れによる冷えによることは明らかだと思う。今後は骨粗鬆症予防を本気で考えないとダメだな、と実感させられる。

土壌中のカルシウム含量が少ない日本の女性はほぼ100%高齢になると骨粗鬆症の治療域に入る。骨粗鬆症単独では痛みは出ないが、骨が変形してゆがむと痛みが出る。
五十代の女性はホルモン分泌の関係でエストロゲンが低下するので、閉経後どんどん骨が減って行く。子供の数が多い人ほど要注意。一方、男性はステロイドホルモンを内服している場合などを除けば殆んど問題にならない。

骨塩量は次のような方法で測られている。

(1) DXAーデキサーと言われる特殊なX線装置で①腰椎 ②大腿骨近位 ③橈骨遠位 などの部位の骨塩量を測る。 ①、②が推奨。腰椎のDXA測定をできる機器は大病院か整形外科専門の病院にしかない、一般の個人開業医にはない。
(2) 超音波で踵の骨を測る。
(3) 手のレントゲンを、基準となるアルミの板と一緒に測って比べる。

そして、20~44歳の骨塩の平均(Young Adult Mean)を100%とし、 その何%かを表す数値をYAMと言う。 2000年の厚労省の診断基準ではYAMが70%未満を骨粗鬆症としている。またこの診断基準では、YAMが70%以上でも脆弱性骨折があれば骨粗鬆症としている。 脆弱性骨折とは、例えば尻餅をついて起こる腰椎圧迫骨折などのように軽微な力で起こる骨折のことである。
骨の強さというのは、ちょっと前まで骨密度あるいは骨塩量(骨のカルシウムの量) に比例すると言われていたが、最近では

  骨の強さ=骨塩量+骨質

と言われている。

治療薬には以下がある。

医科向けの金属イオン化カルシウム製剤(アスパラCA、乳酸カルシウム、炭酸カルシウムなど)やビタミンK(グラケー)、ビタミンD製剤(アルファロール、エディロール、ディーアルファ、ロカルトロール)の骨粗鬆症治療におけるエビデンスレベルは低くCー効果があると言い切れる証拠がない。それは患者さんの持ってくるDXAの結果を見ても明らかだ。血中のカルシウム濃度は上がっても骨は増えない。余計な金属イオン化カルシウムは結石を作る。

ビスホスホネート製剤(ボナロン、ベネット、フォサマック、アクトネル、リカルボン、ボノテオ)は破骨細胞を抑制して骨を増やす薬だが、硬い骨を作るので、骨質は悪く、折れる時はポキッと折れる。骨塩量は5%くらいは上がる。ただし、吸収率が3%ととても低く、食事と混ざることでさらに吸収率が低下するので、朝起床時に空腹で180mlの水で服用し、その後30分は水以外だめ、横になってもダメ、ご飯は30分経ってからという飲み方が面倒な薬だ。当然寝たきりの人には使えない。最近は週に1錠、月に1錠という製剤もある。エビデンスレベルはA治療効果があると言い切れる証拠がある。

SERM(エストロゲンモジュレーター)はあたかも女性ホルモンのエストロゲンのような働きをして骨を増やす、薬品名はエビスタやビビアントがそうだが、静脈血栓のリスクが1%,発がん性のリスクも懸念されている、(ほとんどの保険薬局ではそんな説明はされていないだろう)が、エビデンスレベルはA。

進行した何度も骨折をくりかえしているような骨粗鬆症に用いられる注射ーフォルテオ皮下注は1本5万円でインスリンのように毎日自己注射しなければならない、投与期間は18ヶ月まで。骨塩量は10%くらい増える。たった10%増でも今ある治療薬で最も効果があるとされている。

もし骨粗鬆症になったら病院や診療所で処方される骨粗鬆症の薬の中であなたはどれを選ぶか?と聞かれたら、私はどれも選ばないと思う。なる前に定期的に運動し、整体に行き、お日様の光を浴びて吸収率の良い良質のサプリメントのカルシウムーうちの薬局にも売ってますーやヒジキ、小魚で予防するというのが結論。食は大切、あなたは食べたもので出来ている、を実感する今日この頃だ。

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